──転職活動をしようと思った理由はなんですか?
転職をする前は知り合いが作った会社の手伝いをしていました。でも、手伝い始めて少し経ってからやっぱり自分が思うプロダクトの方向性と違うなと思い、辞めて好きなことをして過ごしていたんです。別の会社のアルバイト求人を見つけてそこで働いたりもしていたりもしましたね。その時期に「あーだーこーだー」にモノグサ株式会社がゲストで出ている回を見て、この会社には問題集を生徒や学生に解いてもらったデータがたまっているらしいという話を聞きました。僕はそういうデータを分析するのがすごく好きで、「あーだーこーだー」で興味がある旨のコメントをしていたら、後日AtCoderの副社長である青木さんから「そんなに気になるなら応募したらどうか?」とメッセージをもらって応募することにしました。
──AtCoderJobs の職業紹介サービスに期待していたことはなんですか?
実はモノグサ株式会社のことは以前から知っていて、学習記録のデータは持っているだろうと目を付けてはいました。でも最初からフルタイムで働くのに躊躇していましたし、スタートアップに行く度胸はなかったんです。モノグサ株式会社からしてみれば、いきなり知らない人がパートタイムで働かせてほしいと言ってきたら不審に思うかも知れないと思ったんですが、AtCoderのプッシュがあれば、フルタイムじゃない形で関わることが出来るかもしれないと思いました。*1
──ですがパートタイム勤務の契約で入社したあとにフルタイム勤務になったんですね?
はい、働き始めてみると絶対に取り組んだほうが良いと思うプロジェクトがたくさん見つかったんです。スタートアップなので、インフラが整っていないと言いますか、社員は100名くらいいるのである程度のものはあるんですが、自分から見ると物足りないものがあって「これは自分ができることが色々あるんじゃないか」と確信したのがフルタイム勤務をしようと思ったきっかけです。元々はCTOの畔柳(くろやなぎ)さんにデータ分析をしてほしいと言われて入社したんですけど、データ基盤がないので、まずはそれを作るところからだなと思いました。実際にすごくインパクトがあって、やりがいのある仕事だなと思っていました。あとは働きやすくて、社風が自分にマッチしていたこともフルタイムで働くようになった理由の一つです。
──転職活動をするうえでAtCoderをやっていて良かったなと思ったことはありますか?
モノグサ株式会社はAtCoderをやっている人が多いので、入社してすぐに話が合ったというのが大きいですね。あとは、仕事中にアルゴリズムの知識を直接使うわけではないですが、思ったことをすぐコードにできるというのもあります。それと、社内での信用を勝ち取りやすいというはありましたね。入社して間もないときでも「AtCoder強いから大丈夫だろう」と信頼してもらいやすいというのはあったと思います。プレッシャーでもありますが、AtCoderをやっていることで力の証明がしやすいのかなと思います。もちろんAtCoderのレーティングが仕事の能力のすべてではないんですが、ある程度高いと信頼があるんだと思いました。
──これから転職活動される方に選考のときに意識すべきポイントについてアドバイスをお願いします。
コーディングテストではコミュニケーション能力も見られていて、例えば企業が使うテクニックとしては制約条件を隠すというのがあります。プログラミングコンテストは制約条件がすべて問題文に書いてありますが、仕事ではそうではないです。会社や相手が重視することだったり、そういう隠れた要件を掘り出していくというのが大事です。システムエンジニアにはその責務があるので、そこを意識してもらうのがいいのではないかと思っています。何もしゃべらずに効率の良いプログラムを一発で出して、そのあともコミュニケーションが発生しないとなると面接官は評価に迷うと思います。「この人は会社の中でやっていけるのかな」という観点からも見ているので、何かしらはしゃべってほしいですね。議論をリードするために自分が使ったテクニックとしては、「〇〇の部分が大事だと思うので議論します」と得意分野に引き込むと、リードしながらコミュニケーションが取れるので良いと思います。あとは、分からないことがあったときには分からないと言ったほうが良いです。困っている点や問題点を明らかにしながら質問するとかはすごい重要な能力なのでプラス要素になると思います。
──応募書類の作成時に意識しておいたほうが良いと思うことはありますか?
取り組んだ業務内容と数字のインパクトは書くようにしていました。今勤めている会社で評価されるポイントと転職活動のときに評価されるポイントは一般的にはだいたい一緒だと思うので、職務経歴書に書ける実績を残すためには、今の業務に真剣に取り組むということが大事なんじゃないかと思います。いろんな会社がありますが、社員に結果をだしてほしいと思っていることには違いないので、自分は結果が出せる人間なんだと思ってもらえるのが重要なんじゃないでしょうか。
──自分のやりたい仕事と会社から求められる成果が違う場合、どうやってバランスを取っていくのが良いと思いますか?
例えばアルゴリズムが好きな人の場合、業務の中でそれらを使えるポイントを探すとか、仕事の中で自分が楽しいと思えるポイントを見出すのが良いのかなと思います。自分が経験した中で大事だと思うのは、とにかく業務内容に興味を持つこと。それらを良くしようと思って仕事をすると、自分の持てる知識を使ってみようという発想にもなります。問題は興味を持ち続けないとなかなか見つけられないんですが、意外と転がっています。プログラミングコンテストは「解かなきゃ」と思いながら問題を見ると思うんですけど、仕事の場合は、例えばslackでいろんなチャンネルを眺めていることで自分のチーム外にも色んな問題が転がっているのが分かると思います。自分が今取り組んでいない他の仕事にも興味を持つとか。それを繰り返しているとマネージャーになるんですけど。
──実際にモノグサ株式会社に転職していかがですか?
会社の雰囲気がすごく好きです。みんなでボードゲームをやっている会社ですというのは良く言われているんですが、そのおかげで色んな人のことを知れるのでアイデアが生まれやすかったりしますね。特にうちの会社の場合だとビジネスサイドの人が直接お客様の声を聞いたりしているんですが、我々はそうでないので、コミュニケーションを取ることでアイデアをもらうこともありますし、それが会社としての強みだと思います。それと周りのエンジニアにスキルがあります。組織を拡大するフェーズだと人数を揃えることを優先して、悩みながら採用することもあると思うんですが、モノグサはみんなリスペクトできるようなスキルを持っていて、そこはすごく安心できますね。
お話をお聞かせいただきありがとうございました!
*1:※1 基本的には正社員の求人のみのご紹介となります。